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新宿夏まつり みずすまし編

11.8.27

毎年、8月のお盆の頃に
新宿の中央公園で開かれる
ホームレスの夏まつり、
昨年はいけなかったが、
今年は顔をだせた。
例年より、人が少ない。
ホームレス自体は増えこそすれ、
減っていないはずなのに。
世界中のホームレスの似顔絵を描いている
画家のジェフ・リードさん
(英国出身)と久しぶりの再会。
以前、もやい(自立生活サポートセンター)の
稲葉剛さん(代表理事)の紹介で、
ジェフさんの作品をベルクに飾ったことがある。
今は福島にお住まい。
福島の子どもたちを描いている。
今年の12月にまたベルクでの展示が決まった。
ただ、私は英語が喋れないので、
ジェフさんと1対1では話が通じない。
スピーク・ジャパニーズ!ジェフさん!
(友部正人さんが、シンディー・ローパーに向かって
そう歌った。
ちなみに私は、ジェフさんのことをジェフ・リンと紹介して、
ベルクのスタッフたちの目を白黒させた)。
ジェフさんのTシャツの背中にプリントされている
福島県の地図を見ながら、
ホームレスのおっちゃん(山田さん)が、
地震のこと、福島のこと、
放射能のことについて
解説してくれた。
プルトニウムの半減期は
24000年だねと言うと、
「全部消えなきゃ意味ない。
億年単位だよ。
人類の歴史より長いよ」
たしかに半減期って言葉は、くせものだ。
「日本が大陸から分離したきっかけも
大地震だった。
その後少しづつ離れていったんだよ。
またいつ大地震が来るかは分からない」
まつりのハイライトの一つ、
スイカ割りは中止だった。
おっちゃんたちが
「今年はスイカ高いからな」
と話していた。
でも、輪投げはいつも通りやった。
命中すれば、焼きそばがもらえる。
年々上達している人もいる。
一人、3回まで投げられる。
いっぺんに3個焼きそばを
ゲットした人もいた。
美味しそうな焼きそばが着々と
準備されている。
カレーの鍋を覗きに行ったら、
調理のおっちゃんに「ほらっ」と
割り箸で味見させてくれた。
思ったより辛い。
スパイスでちゃんと味を調整している。
600人分のご飯を用意するって、
見ているだけでも大変な作業だ。
でもみんな、炊き出しのプロ。
手際がいい。
夕食のカレーとビール。
一人一人手渡しされていく。
(実はけっこう熱い。出来立て!)
プレゼントのよう。


(迫川)



映像 by 迫川尚子
音楽 by 井野朋也

ベルク通信 2011年8月号