理由なき立ち退き

 ルミネさんはなぜ私どもベルクに立ち退きを迫るのか?(営業継続を求める請願書に1万人以上の署名が集まり、当面「延期」とされましたが。)理由がよくわからないというところに、この問題の新しさがあります。従来は立ち退きといえば、借家人に家賃滞納のような「違反」があったり、家主に建て替えなどの「事情」があったりしたものです。それがない。辛うじて聞き出せたのは、「ファッションビルだから」の一言。え?そりゃベルクは飲食店だけど…だから?と聞き返したくなる理由です。同じく退店を勧告された着物屋の主は、「ルミネのカラーに合わない」といわれたそうです。ルミネのカラー。私も聞き覚えのある言葉。具体的にどんな色か伺ったこともあります。その答えは「ルミネが決める」でした。テナントの命運はルミネさんの胸三寸で決まるらしい。
 とはいえ、正当な理由がなければ家主とてテナントを勝手に追い出すことはできないはず。ルミネさんも最初から出て行けとはいっていません。2006年に新宿駅ビルのマイシティをJRの子会社であるルミネさんが乗っ取ってから、全テナントに対して徐々にすすめたことがあります。契約の変更です。私どもも「家主が変わった関係で契約も変わります」と新しい契約にサインするよう促されました。表向きは「推進」ですが、いきなり「とにかく来て下さい」と密室に呼び出し、事務手続き上必要であるかのような口ぶりなのです。でも、そこには営業権の消失という重大な変更が含まれていました。勿論、契約書に「営業権」という言葉は使われません。契約内容をよく見て法律と照らし合わせれば、そこで営業権を失う(自動更新が解除される)とわかるのです。営業権がない以上、出て行けといわれたら出て行くしかない。理由なんてもはやどうでもいい。
 200以上あるテナントのうち、うちを含む4店舗を除いて全てのテナントがその契約に応じました。営業権というテナントの命綱をなぜ手放したのか?私もそうですが、店の経営者は案外法律にうとい。サイン一つで失うとは、サインしてみるまでわからなかったのです。2000年、所謂定期という自動更新されない賃貸契約を認める法律が施行されました。ただテナントには余りに不利な契約なので、駅前のような一等地でもない限りそうそう浸透しません。だからいまいち認知度も低い。にしても、事前に専門家に相談すべきですが。ソフトバンク(代理店)さんのように、知りながらサインしたテナントもあります。契約は形式的なもので「追い出しはない」という口約束を信じ、家主の顔をたてたのです。でも結局追い出されました。裁判に持ち込まれて。法廷では書面が何より優先されます。
 ルミネさんは「テナントを毎年20%入れ替える(共存共栄ではなく、使い捨て)」と明言しています。それを裏打ちする法律もいつの間にか成立していたのです。ベルクは一店舗のみ、そこが私どもの生活の基盤ですから、慎重にならざるを得ません。新しい契約にサインはしませんでした。「だったら出て行け」というルミネさんは、法律すら超越していますが。新規の店がルミネさんの経営方針(短期決戦)に納得した上でサインするならまだ筋は通ります。でも長年その場所に根をはり、営業を続けてきた店が突然半ば強制的にサインさせられるのはやはりおかしい。
 法律にも問題があります。定期を認めたことで、一等地ではそれが一般化しました。しかし2、3年の定期では設備投資の必要な飲食店に展望は持てません。元をとるのに5年はかかるからです。特に零細の個人店には厳しく、大きな駅の駅前は大手チェーン店で埋め尽くされつつあります。「時代の流れ」「自己責任」という言葉の前で皆さん萎縮していないでしょうか?私どものように「おかしいものはおかしい」と声をあげる店は例外的(特殊)です。だからなおさら社会問題化しにくいのでしょう。
 

新宿「ビア&カフェ・ベルク」店長 井野朋也
(月刊まなぶ2010年9月号より)


2010年7月号「11月3日有楽町プレスクラブで記念パーティーを!」(迫川)
 
2010年9月号「アメリカからの輸入品」店長(井野)

定期借家制度の落とし穴……ベルク店長に聞く

11.1.14

店長、定期借家制度って、ズバリ、何がどう問題なの?
「難しいですね。借家法は」
ビミョーだよね。借りる側も貸す側も、それぞれリスクがあって。
「ケース・バイ・ケースですけどね」
 
借りる側のリスクを最小限に抑えるのが、今までの普通借家法。貸す側のリスクを最小限に抑えるのが、新しい定期借家法。という解釈でとりあえずいい?
「そういうことですね」
ぶっちゃけ、従来の制度だと家主は借家人を簡単に追い出すことができない。新しい制度だと簡単に追い出せる。ずいぶん、極端から極端だな。
「まあそういうことです」
ただし、世の中が丸ごと新制度に移行したわけではない。
「そうですね。契約というのは個々に結ばれるものです。その際、法的裏付けとしてどちらを利用するか、選択できるようになったということです」選択って、誰がするの。家主?借家人?
「形式的には、両者の同意という形をとりますが」
なにその事務的対応(笑)。まあいいか。最初から期限が(自動更新なしで)1年とか2年と決まっているのが定期契約だよね。合意の上なら、追い出すと言うのも変だな。お互い割り切ってるわけだし。
「割り切った関係」
やらしいよ。
「同意とは言え、最初に決めるのは家主でしょう。選ぶのは借家人です。が、実質的には立場の強い方とも言えます」
ああ、そうか。借り手の多い所では家主の立場が強いから、家主は家主に有利な定期契約(新制度)に決める。借り手の少ない所では家主の立場が弱いから、家主は借り手に有利な普通契約(従来の制度)に決めざるを得ない。
「でも、おかしくないですか?家主の立場が強い所では、家主の立場はさらに強化される。家主の立場が弱い所では、家主の立場は弱いまま」
新宿駅ビルの家主は、けっこう立場強い?
「チョー強いです(笑)。契約書を見ればおわかりいただけると思いますが、テナントはほぼ全面的に家主の都合に従う内容になっています。それだけ家主が強気でいられる場所なんです」
しょうがないよね。あれだけの一等地なんだから。テナントも、一応納得した上で契約結ぶわけだし。
「まあそういうことです。(契約書の)ベースはうちのじいさん(初代駅ビル社長)が作ったんですけど(笑)」
祖父が孫を苦しめてる(笑)。でも店長も、おじいさんの立場ならそうするんじゃ?
「そうですね(笑)」
 
ただややこしいのは、ルミネが新しい借家制度にのっとって、契約自体を変えようとした所だね。
「そうなんです。普通契約を結んでいるのに、定期契約に変えると」
話をいったん元に戻すと、今は借家制度に従来型と新型と2種類あって、どっちを利用してもいい。それを決めるのは家主だと。選ぶのは借家人だと。しかし、一度結ばれた契約の法的裏付け(制度)がチェンジする。というのが、どうもよくわかんない。そんなこと、ありなの?
「おかしいですよね」
店長の言葉では、定期借家制度が悪用されている、だっけ?
「新制度が追い出しの道具に使われているのだとすれば、それは悪用ではないかと」
制度が悪いのでなく、使用法が間違っている(笑)。
 
「従来の制度では借家人の権利が守られ過ぎている、というご意見もわからないではないんです。元々、戦地に赴いた兵士が帰る家を失わないようにという配慮から生まれた戦時立法ですから」
その制度を作ったのも、店長のおじいさん?
「祖父は戦時中の政治家(官僚)でしたが、作ったかどうかはわかりません。でもその一味が」
一味(笑)。でも戦争の是非はおくとして、昔の政治家はまだ心があった。その戦時立法も、平和な時代には合わなくなったということか。
「どうなんでしょう。ただ、権利が守られ過ぎると言っても、借家人もそれなりに負担を背負うわけです」
お金か。敷金とか礼金。テナントの場合、権利金というのもある。
「そうですね」
いくらくらい?(笑)
「うちはん万円払いました。大借金して。お蔭様で20年近くかかりましたが、全額返済済みです」
おめでとう(笑)。そのお陰で、よっぽどの事情がない限り、営業が続けられるわけだ。いわゆる営業権ってやつ。
「問題は、サイン一つでその営業権が消えるということです。そこが落とし穴です」
それが従来型から新型に変わるということか。
「そうです。契約を途中で切り替えるということです。そこに注意してほしい。いわゆる再契約(リセット)です。単なる調整、変更ではなく」
ただ、それも同意の上だよね。
「そうです」
嫌ならサインしなきゃいい。
「そうですね」
うっかりしちゃっても、即切れるわけじゃない。
「ただ、営業権を失いますから、家主に出ていけと言われたら出ていかなくちゃなりません」
え。理由もなく?
「はい」
補償とかは。
「立ち退き料ですか?」
そうそう、それ。
「立ち退き料というのは営業権の穴埋めですから、営業権がなければ穴埋めの必要もありませんから、支払われずにすんじゃうんです」
え。待って。待って。ベルクだと立ち退き料はいくらくらいになる?(笑)
「わかりませんが、億はくだらないという人もいます」
それがサイン一つで、チャラ?
「定期契約と普通契約では、根本的に条件が違います。それをサイン一つで切り替えるののがそもそもおかしい」
住居では禁じられてるんだって?
「危険過ぎるからでしょう」
うっかりサインして、いきなり追い出されたら路頭に迷っちゃうもんね。
「私たちのような個人店もそうです」
※将来的には、住居での切り替えも検討されているらしい。
だけど、信頼関係のような気もするな。家主と借家人がちゃんと信頼関係築いていれば、どうにかなるもんじゃないの。
「うまくいってる時は契約のことなんて気にせずにすむんです。うまくいってない時ですよ。契約が物を言うのは(笑)」
そりゃそうだが。
「義理人情の世界では、契約はあくまでも予備的なものです。でも、今は何かとビジネスライクな世の中で。契約がビシバシ物言う」
世知辛い世の中だ。
「油断も隙もありゃしません」
 
まあ最後の決め手は、契約に法的根拠があるかどうかだ。その根拠自体が切り替えられるって、どういうこと?
「普通から定期への切り替えは、テナントにしてみれば何のメリットもない。よほどの交換条件でもない限り、不利なだけです。にも関わらず応じるとしたら、知らずにとか、うっかりとかじゃないでしょうか‥契約内容はぱっと見変わってなかったりしますから。家主に説明義務はありますが、いきなり法律の専門用語並べられても目が点になるだけです。今まで共存共栄でやってきた昔気質のテナント・オーナーは、家主の顔をたてて、よく調べもせずサインしてしまうかも」
※ルミネエストに出店されていたソフトバンク代理店さんは、定期契約の意味をよくご存知でしたが、ルミネさんから契約の切り替えは形式的なものだという説明を受け、追い出しはないという約束の上でサインに応じられたそうで、追い出しは無効と主張されました。しかし、口約束だったため、文書が何より重視される法廷では通用しませんでした。
だとしたら、切り替えは家主にばかり都合いいじゃん。サイン一つで好き勝手に追い出せて、立ち退き料も払わずにすんで。
「テナントには蟻地獄です。一度サインしただけで、二度と元の場所に這い上がれない。生き残る道は再契約ですが、それも家主が首を縦にふらない限りアウトです」
家主の胸三寸。
「知人の追い出し専門の弁護士が私にこう耳打ちして高笑いしました。テナントのオーナーなんてチョロいもんだ、こいつ(切り替え)のお蔭でボロいもんだ」
生々しい証言。
「テナントの身にもなって下さいよと言ったら、神妙な顔してましたけど」
踏んだり蹴ったりだね。
「そうですね。借金抱えたまま立ち退き料ももらえず(むしろ高額の撤去費用を払わされて)追い出されたら、責任感の強い店主は、従業員や業者さんに申し訳なくて、家主を憎むより自分を責めるでしょう」
落とし穴‥。落ちる方が悪いのか?落とす方が悪いのか?
「相手の無知や義理人情につけこむんだとしたら、落とす方がタチ悪い気がします」
 
何はともあれ、契約変更のサインには慎重になった方がいいね。
「まず専門家に相談すべきですね。家主にはいくらでも待ってもらって。ただルミネさんは、何度お断りしても、また呼び出して、サインしろだの何だのおっしゃるのですが」
強要じゃん。
「強要はいけませんよね。サインしない?じゃー出て行けというのも、強要の一つです」
今のベルクは、そういう状況にあると。
「20年以上ここで問題なく営業を続けてきて、4年前に家主がルミネさんに変わりました。いきなり新しい契約書にいついつまでにサインしろと迫られました。ほとんどのお店はそれに応じました。うちを含む4軒はお断りしました。そうしたらすぐ、立ち退きを勧告されました」
なるほど。でも、サインしなければ営業権は生きているわけだから、出ていくことないじゃん。
「そうです」
サインに応じた店は皆、追い出された?
「はい。進行中の所もありますが、追い出しが合法化されるので、家主は強制的に追い出せちゃうんです」
追い出されたテナントの怨念は相当だろうけど、泣き寝入りするしかない?
「残念ながら、今の法律ではどうにもならないですね。ただ、告発という手はあります(笑)」
情報の公開というのは、ベルクの一貫した姿勢だよね。個々の問題にとどめるのじゃなく、同じ問題を抱える人のためにもサンプルとして提供していく。
「いつかどなたかのお役に立てればいいのですが」
少なくとも個人店にとって、ベルクのケースは色々な教訓が含まれてるんじゃ?
「サインに応じなかった店も、殆どが個人店です。皆、何とか営業を続けています。ルミネさんから執拗に呼び出しを受けていますが」
いまだに?
「ここしばらくは、ないですけど」
みんな、呼び出しに応じるの?
「話し合いを拒否するわけにもいかないですから」
強要でも?ああ!だからルミネはいつも呼び出しのとき用件を言わないのか。
「『とにかく来い』と(笑)。『ご用件は?』『会ってから』『立ち退きに関することでしたら、こちらの意思は変わりません』『状況が変わったから、とにかく来い』」
状況が変わった?どんなふうに?
「不況でルミネの経営状況が悪化している。よって、家賃を上げる。嫌なら出ていけ、とか」
何じゃそりゃ(笑)。不況は賃料値下げの理由にこそなれ、値上げの理由にはならない。
「普通契約ならそうでしょう。でも定期契約の場合、嫌なら出ていけの世界ですから、賃料も家主の言い値になりやすいんです」
定期だと家主はそこまで強いのか!
「強い家主がさらに強化しますから」
 
まあベルクは普通契約だし、動じる必要ないね。
「今まで通りよろしくお願いしますと頭を下げるしかありません。ただ、今度呼び出されたら、来ていただこうかと」
話があるなら、来い!と(笑)。
「店でお話しましょうと」
お客さんにも同席してもらって?
「いいですね」
いっそ訴えるというのは?
「法廷でケリをつけるということですか?」
そう。
「裁判官という第三者に頼る?」
第三者ったって、法的効力を持つ。
「お客様は、契約に関しては第三者ですが、店の存続に関しては当事者です。私たちはまずお客様の声をうかがおうという姿勢でやってまいりました」
それが一万6千人の署名(現在)につながったわけだ。でもルミネが考えを変えないんだから、そろそろ法廷にゆだねるべきでは?
「それも一つの考えですね。08年に一万人の署名を提出させていただいて、09年にルミネさんの方から立ち退き延期のお返事がありました。10年の10月1日にルミネ新社長から、また立ち退き勧告の文書が私のところに届けられました。それに対して、今、新しい署名活動を展開しています。それを3月中に提出する予定です。その後、ルミネさんがどう対応されるかですね」
まあ焦ることはない。気長にいこう。
「ありがとうございます。よろしくお願いします」

 
 



映像&音楽 by 井野朋也
 
 




インターネット中継2010.10.28法務委員会


10.10.29

「新宿ベルク」の問題。民間同士の個別紛争なので政治家が直接関わるべき案件ではないと思うが、一般論として定期借家が悪用されれば制度全体の不信に繋がることを私は懸念している。法務委員会で質問をた。
(民主党議員 中村てつじ)
 
新宿「ベルク」の件、これが本当ならば大変なことだ。普通借家契約をしている借り主は守られている。家主が定期借家への切り替えを迫っても違法。これを許せば定期借家制度を作ったこと自体が批判されかねない。
中村てつじ民主党参議院議員


中村てつじ議員は、政治家として定期借家制度をすすめられている方とうかがっています。上は中村さんが最近ツイッターでつぶやかれた言葉です。

「切り替えを迫っても違法」という言葉に、私は改めてはっとさせられました。
テナントの場合、両者が「合意」すれば、切り替えは認められることになっています。
しかし、「合意」の実情がかなりビミョーです。
密室で「(家主が)ルミネに変わりましたから、契約も変わります」とサインさせるのは、果たして「合意」と呼べるのでしょうか?
「かなりきわどいやり方だ、問題になるのでは」と言う専門家もいました。ソフトバンク(代理店)が、その点でルミネさんと争って裁判で負けました。もし、ソフトバンクが勝てば、定期契約制度そのものが揺らいでしまう。だから勝てないだろう、とソフトバンク側の弁護士は、判決前に敗北宣言していました。
社会問題にでもならない限り、制度を揺るがすような判決は裁判官も避けるでしょう。そのくらいにソフトバンクの戦いは、孤独な戦いでした。

(井野)

写真&音響 by 迫川尚子

定期借家制度見直しの第一歩へ


10月28日、参議院の法務委員会において、中村てつじ民主党議員が「新宿ベルク問題」にふれ、定期借家制度に関する質問をされました。

「普通契約から定期契約への切り替えの強要に応じる義務はない」とする黒岩たかひろ法務大臣政務官のご答弁を、かみしめるようにうかがいました。

ベルクに限って申しますと、ルミネさんは「定期への切り替えを(現在)強要していない」とおっしゃるかも知れません。しかし、現在、私どもに「契約破棄」を突きつけられているのは、私どもが切り替えに応じなかったからではないでしょうか。それも「強要」にあたるのではないでしょうか。

もちろん、「切り替えに応じなくていいかどうか」という質疑応答そのものは、定期借家制度の原則を確認するのみで(弁護士もしなくていいと答えます)、根本的な問題にまで足を踏みこんでいません。

根本的問題とは、今や家主の立場が強い場所ほど(新規)テナントの営業権が守られないという矛盾、個人で新たに飲食店を開こうとした場合に大きく立ちはだかる問題です。

ただ、今まさに家主から定期への切り替えを求められている既存テナントにとっては、大きな励みになるはずです。

また、定期借家制度のあり方を見直す第一歩になればと願わずにはいられません。


(ベルク店長 井野朋也)


映像 by 迫川尚子
音楽 by 井野朋也



中村てつじの「日本再構築」

駅ビルの家賃について

 あるお客様のブログに、ベルクの立ち退きに関して、素朴な疑問(誰もが感じそうなこと)が書き込まれていました。
 疑問は二つあって、一つは他の場所でやれば?というもの。もう一つは、なぜルミネはベルクを追い出そうとするのか?家賃の問題?(スルドい‥)というものです。
 ここでは家賃の問題についてなるべく簡潔にご説明しましょう。

 実は、ルミネさんの家賃は歩合制です。
 歩合で言えば、ベルクは他店より低い。他の新しい(定期の)お店は、20%。ベルクは15%くらいです。ただ、賃料そのものはベルクはどのお店よりも高く払っています。
 マイシティ時代、駅ビルの家賃は売上が上がればある程度歩合が下がり、売上が下がればある程度歩合が上がるスライド方式をとっていました。つまり、ベルクは今でもこの昔ながらの方式をとらせていただいているのです。売上が最低基準より遥かに高いため、そのぶん歩合が多少低いのです。
 このスライド方式により、ベルクのような高回転低価格高品質の業態(早い・安い・うまい・安心)もかろうじて成り立っています。
(デパートのようないわゆるケース貸しでは家賃の歩合制は当たり前なのでしょうが、本来、努力した人に努力の成果に応じて利益が還元されるのが歩合制度であって、努力の主体ではない家主に利益が還元される家賃の歩合制度は、歩合制度とは呼べないと思うのですが、ここではあえてそれはさて置きます。)
 ただルミネさんから、ベルクも今賃料を歩合で20%と言われています。ルミネ方式は、どんなに売上が伸びても20%です。つまり家賃も上がるわけです。
 これはベルクのような薄利多売(食材コストが50%前後)の店には特にきつい方式です。
 売上が伸びれば、そのぶん材料費も人件費も水道光熱費も上がります。しかしふつう家賃は上がらない。それで何とかなるのです。家賃も上がるとなると、何かを削らざるを得なくなります。手っ取り早いのが、材料費とか人件費。サービスの低下につながるものに手を出します。
 まっ先にお客様に影響が出るのです。
 それではベルクはベルクでなくなってしまいます。それを理由に、歩合の一律化はお断りしています。
 細かい数字の話になってホント申し訳ございません。でも、大事なところなのでご辛抱下さい。
 15%から20%へのアップというのは、年間で1000万円の賃料値上げになります。ベルクは現在、年間で3000万円ルミネさんにおさめています(売上は年々伸びているので、賃料も必然的に上がっています。ベルクの一坪における売上は、館内でベスト3に入ります)。それが4000万円になるのです。このような法外な値上げは、通常、法廷では認められません。ただ家賃って、家主と借家人が合意さえすればいくらでもいいことになっています。だから「合意しろ」とルミネさんはおっしゃるわけです。合意は命令されてするものじゃないですけれどね。
 組織の論理として、例外は認められない、嫌なら出て行けということでしょう。
 しかし、ルミネさんにご理解いただきたいのは、スライド方式の歩合制が、ターミナルの中にベルクのような奇跡の店を生んだということです。この方式なら、コンスタントにルミネさんに高い家賃をお支払いすることができる。大勢のお客様にいいものをリーズナブルにご提供することができる。私たち自身、楽しく働いて生活することができる。みんなが幸せな関係になれるのです。
 家賃一律20%は、この幸せな関係を破壊することにしかなりません。


※本当は、歩合の家賃って、それ自体おかしいと思いますけどね。
 


(井野)

お客様へのご報告とルミネ経営陣へのお願い

当店ベルクは、3月いっぱいで退店しろとルミネさんから再三迫られています。理由は依然何もおっしゃらずに。
もちろん、出て行く理由がない以上、私どもは今後もこの場所で商売を続けるつもりです。法的にも、その権利は認められています。
ところが昨日‥お客様にこんなご報告をしなければならないことが情けなく申し訳ない思いですが、ルミネ本社の谷社長からだめ押しのような文書が届きました。
長いものですが、要約すると、ベルクは
①何度も出て行けと言ってるのに出て行かない、
②賃料の(べらぼうな)値上げにも応じない、
③お客様の行儀が悪い(お酒の席でお客様が踊られたことを‥どなたの迷惑にもなっていないのに‥問題にされている)、
④ルミネの新ルールに同意しない
つまり「非協力的」だと。どれか一つくらい従え、というニュアンスです。
しかし、どれも一方的で無理な要求ばかりです。
例えば④の新ルールですが、ルミネさんには罰金制度というのがあって、ネームプレートを紛失したら何千円という実費以上のお金を罰金の名目でとられます。それ自体違法性が疑われますが、その罰金の金額を全面的に大幅にアップするというのです(口頭では、1000万という金額も提示されました)。「新ルール」には、他に全面禁煙などが含まれます。
しかし、いくらビルのオーナーだからといって、テナントの同意なしにルールを勝手に変更することはできません。それに従わないからといって、「非協力的」と非難するのはほとんど言いがかりに近いのではないでしょうか。
今は、ルミネの社員も私どもスタッフも、節電対策や物資調達に追われながら手を取り合い励まし合って現場を守っています。こんなイヤがらせともとられかねない文書は、そんな現場の努力に水をさすばかりです。どうか谷社長を始めルミネ経営陣には、そのへんのご配慮もお願いしたい。
大震災から二週間。皆、さすがに疲れが出てくる頃です。だからこそ皆でフォローしあい、笑顔といたわりの精神で何とかこの非常事態を乗り切っていきませんか?



ベルク店長 井野朋也


アニメ&音楽 by 井野朋也

ルミネ名言集

11.1.4

ルミネ名言集「それがルミネです」


今を時めくファッションビルの雄、ルミネさん。
その輝かしいトップ経営陣の方たちが残された名言(迷言)の数々。
是非ご鑑賞下さい。



「首を吊ることにならないようにね」07.2.6

ルミネさん(エスト前副店長=現店長)が、ベルク副店長の迫川を突然、用件も明かさず密室に呼び出し、放った一言。その時、ルミネさんは当店に契約を「普通」から「定期」へ変更するよう迫った。一言で言えば、営業権の剥奪。店の命運にかかわる問題で、即答できず。それに対し、このように命の危険をほのめかすのは、弁護士さん(複数)によれば、「りっぱな脅迫」だそうだ。



「昨日の自分を否定する」07.2.25

ベルク18年の営業実績(前年比を常にクリア、坪効率が常にトップ)について迫川がご意見を伺うと、ルミネエスト前店長はこう答えられた。「昨日の自分を否定する。というのが、ルミネ社長のお考えだ」まるでお題目を唱えていられるかのよう(ご自分のお考えはどこ?)だった。確かにカッコイイ言葉ではある。自分に向けるなら。他人に向けて言う言葉ではない。



「それがルミネです」07

オーナーがマイシティからルミネに変わると、ファッションビルという名目で駅ビルから食品売り場も書店も文房具店も一掃された。不便になったという声は今でも多い。前エスト店長によれば、「なぜ?」というお客様の問い合わせに使われるのがこの決めゼリフ。何を聞かれてもこう答えておけばいいという意味では、クレーム対策上、最強の言葉かも知れない(説得力があるかどうかは別にして)。‥


「よそ者が入ってしまう」07.2.25

ルミネエスト前店長によれば、元々1Fにあったスターバックスさんを2Fに移動させた理由がこれ(お尋ねした訳ではないのに、教えて下さった)。一瞬、「よそ者」の意味がわからず。お話をうかがううちに、ターゲットであ20代前半の女性以外のお客様はルミネさんにとって「よそ者」なのだとわかる。つまり、ベルクは「よそ者だらけの店」なのだ。



「(ベルクには)守秘義務がある」7.10.24

立ち退き問題について、公表の意思があることを事前にルミネさんにご報告したところ、ルミネエスト前店長は「どうぞ」とあっさり承諾。その後、あわてて撤回(こちらが本気とわかって?)。その理由がこれ。本当にそん義務があるの?と迫川が念を押すと、「ない」とまたもや前言撤回。


「『ルミ姉』が無断使用されている」7.12.20

ルミネさん(エスト前店長)からベルク店長の井野に配達証明で届けられた「警告書」の中の一文。「無断」も何も、ちょっと調べればわかることだが、「ルミ姉(ルミネの商標)」の「使用」すら私たちはしていない。どう使用しろというのか。ルミ姉ドッグとか?ルミネさんさえよければ…。とにかく無断使用はルミネエスト前店長の単なる思い違い。それに関するルミネさんからの謝罪は今のところ一切ない。



「ルミネとしては、深刻に受け止めている」08.2.4

全テナント対象の店舗診断の結果を受けて。ベルクの点数は悪かった。うちも深刻に受け止め、具体的にどこがどう悪いかルミネエスト前店長にお尋ねしたところ、「一人でも悪いと感じる人(調査員のこと)がいれば、深刻なのだ」と堂々めぐりなお答え。どうやらルミネさんの「店舗診断」は、店を向上させるためというより、追い出すために行われるようだ。


「通行人が入ってしまう」09.2

B2(ベルク真下)のトイレが閉鎖された理由。ルミネエスト営業部からそうご説明があった。私たちの商売は、その「通行人」のお陰で成り立っているのだが。ちなみにトイレのあった場所は、現在、B2ファッション売り場の部になっている。



「罰金1000万円!!」10.8.27

館内における新ルールの説明会で、ルミネエスト現店長からいきなり「罰金1000万円」とか「契約破棄」というケタ違いの罰則(例えば、たった一秒の「居残り」でも、初回で罰金)を課すことが明かされる。黙っていたら認めたことにされかねないので、当店社員の市原と愛染が異議を唱えた。この発言について、ルミネエスト店長は、皆の「気を引き締める」ためにオーバーに表現したのだと釈明。なるほど。それは「首を吊らないように」と同様、「りっぱな脅迫」では?いずれにしろ、罰金をとることに変わりはなく(1000万ではないにしても、50万とか100万)、法的には管理権の濫用(違法)にあたるそうだ。


「到底容認することはできません」10.12.29

同月、ベルク店内で開かれたお客様によるライブパフォーマンスに関して、ルミネエスト現店長からベルク店長に宛てられた「警告書」の中の一文。「下着姿のストリッパー」が「公衆の面前で舞踏した」ことを問題にされた。容認するもしないもルミネさんの勝手だが、そこには、「契約解除(の検討)」の一語まで含まれる。確かにそのお客様のご職業がストリッパー(しかも日本のトップダンサー)であることは伺っている。が、その日は下着姿でなく、舞台衣装を最後まで身に付けていらっしゃった。ご本人のおっしゃるように「心のストリップ」と呼ぶべきその踊りはきわめて芸術性の高いもので、男女問わず魅了し、ストリップだから「いかがわしい」「公序良俗に反する」という偏見・差別を見事に打ち砕いた。「ルミ姉無断使用」の時もそうだが、ルミネさんは思いこみだけで「脅迫」まがいの「警告書」を乱発する企業なのだろうか?


番外編「私は人間でいたい」

自主退社されたルミネエスト営業部の元社員が、館内のテナントを挨拶まわりされた時に、ぽつりと漏らされた一言。そこにはどんな思いがこめられていたのだろうか。




音楽 by 井野朋也






 





とりあえず
立ち退き撤回



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2012.9.30-10.1



ルミネから退店勧告が来るとすれば今日だ。うちとの契約が来年3月まで。そこで契約を終わらせたければ、その半年前までにうちに通告する必要がある。つまり9月中に。そうしないと契約(2年)が自動的に更新される。2年前は通告が1日遅れて無効に。同じドジは踏むまい。しかしなぜいつもギリギリ?

うちは拒否したルミネの新契約書には「守秘義務」とある。何か問題があっても(うちのように)公表できないというわけだ。が、誰にでも告発の権利がある。正当な告発であれば契約違反にはならない。法律が優先されるからだ。私たちは権力に脅され、口を噤みがちだ。もっと権利の意識を持つべきだろう。

勿論、家主にはテナントに出て行けと言う権利がある。借家人にはそれを断わる権利がある。その場合、借家人に余程悪質な契約違反がない限り、強制的に追い出すことは出来ない。にも関わらず、ルミネはうちが出て行く前提で必要な工事を妨害したりした。明らかに不当な目にあったので告発に踏み切った。

ただ当初は「告発」という意識がなかった。やむにやまれずという感じで店の壁新聞に書いた。法的にどうのこうのという以前に、家主が退店を望んでいて続けるのは困難と思った。が、ベルクをなくすことをうちと家主とで勝手に決めていいのか?とも思った。だからお客様にどうしましょう?と尋ねたのだ。

ルミネから出て行けといわれたと壁新聞に書いたら、お客様から問い合わせが殺到した。うちとルミネに。ルミネは、当事者同士の問題なのでお答えできないと答えた。私たちは当事者ではないのか?とお客様は訝った。弁護士によれば、お店なのだからお客様が当事者なのは当然、署名も有効とのことだった。

昨日、ついにルミネから文書が来なかった。うっかりミス?ただ2年前、それで安心していたら、翌日の1日に来たので(1日遅れは法的には無効ですが)、今日1日待ってみよう(一応‥)と思います。が、このまま「お騒がせしました!お陰様で‥」という流れになってほしいです。

ルミネの通知、29・30と土日だったため、出したのが週明けの昨日だった(今日届く)んじゃ?という慎重な見方も、今までの経緯から疑い深くならざるを得ない私たちの中にはございます。ただそうだとしても、あまりにマヌケ過ぎるので無視します。それに、いくら何でもそんなことはないと思います。

確かに通知は来ませんでしたが、次に何が起こるかわかりません。ベルクのような例外(営業権のある店)は依然認められず、作戦だけ変えたのかもしれません。油断はできませんが、立ち退きの意思があれば通知はする筈です。少なくとも、お客様のブーイングにルミネとJRははっきり応えてくれたのです。

最初は口頭で「出ていけ」と言われたので、今回も「撤回」とか「変更」でいいから言葉がほしい。ただ、当時ナンバー2だった方はとっくに別の部署へ異動、ナンバー1の花崎さんは最近JRグループ自体から突然いなくなられました。JRとしては、トップさえ変わればなかったことになるのかもしれません。

JRが立ち退きを撤回した前例ってないのでは?今回、奇跡が起きたのかもしれません。5年。長いのか短いのか。永久に闘うつもりでしたので正直戸惑いもあります。ただ、マイシティ時代、ビルの改装であの一角の照明が暗くなり、目立たない!と何度も抗議しました。元に戻るのに5年かかったのでした。

沢山のお祝いツイートありがとうございます!改めて背筋が伸びる思いです。この立ち退き騒動、店の進退を決めるのはお客様か店か家主かと問われました。でもお客様も店もやる気満々なのに、ビルのイメージに合わないというだけで家主が店を追い出すことは出来ませんでした。いい前例になってほしいです 。

東北のことを思えば、店があるだけでも感謝しなければならないし、震災後の都内商業施設の混乱など大したもんじゃありません。が、それなりに大変だったのも確かです。ルミネのトップはどうあれ、営業部とはあの頃から親密になりました。現場同士で協力しあわなければのりきれない状況だったからです。

だから営業部には、立ち退きの通知が来なかったお礼の電話を、すぐうちの副店長がしました。担当の方はビックリしていたそうです。その話を聞いて、ひょっとして出しそびれただけ?とも思いましたが、それはルミネに対して失礼でしょう。やはり、来なかったという事実を厳粛に受け止めようと思います。

止むにやまれなかったとは言え、家主とのトラブルにお客様を巻き込んだことは本意ではありません。応援を頂くたび、有り難くもあり心苦しくもありました。これからはご心配なく、ベルクで思い思いの時間を過ごして頂きたいです。でもまた何かありましたらSOS出すかもしれません(>_<)

家主にすれば、素性のはっきりした相手の方が安心だろう。大手系列店は初めから売上が見込めるし、ダメならさっさと退いてくれる。今、不景気だから皆保守的だ。しかし、街全体が画一的になり、面白味を失うという悪循環に陥っている。得体が知れなくても、元気な店を受け入れるくらいの度量がほしい。

営業権を保証しない定期借家制度は、何年がかりで元がとれる飲食店のリスクを極めて高くした。世の中全体が価値多様化のゼロ成長で、商売は浮き沈みするのが当たり前だし、長期展望でやるしかなくなっている。またそこにこそ可能性がある。ネオリベ的規制緩和は時代に逆行していると言わざるを得ない。

ベルクの戦い方が柔軟でよかったというお誉めの言葉を、何人かの方からいただいた。嬉しいが、私たちには戦略があった訳ではなく、お客様の支持がある限り続けさせて下さいとルミネにひたすらお願いしただけだ。それより「立ち退き騒動」に全くひるまなかったお客様、業者さん、スタッフの力が大きい。

お祝いのメッセージを、メールでも続々と頂いています。取材に来て下さったメディア関係の方、店ではふだん存在感を消して溶け込んでいらっしゃる著名人の方のお名前もあります。こんなに祝福して頂けるなんて、こんなに心配して頂いていたのかと嬉しいやら恐縮するやら。本当にありがとうございます!

私たちは営業継続をお願いするのみだったが、客観的に見れば家主の(いかに理不尽であれ)命令に逆らう反逆者だったのかも。当初、味方してくれるのは純粋なお客様とは限らない、政治的思惑もあるから注意せよと忠告されたりした。ただベルク自体が様々な思惑で使われている店なので、気にならなかった。

その方の性別・年齢・職業・国籍・思想・肌の色がどうあれ、また目的が休憩でも飲食でも待ち合わせでも時間つぶしでも瞑想でも、お客様としていらっしゃる限り店は大歓迎なのだ。問題さえ起きなければ、ご遠慮頂くということもない。どなたでも受け入れるという感覚が私たち店員は身にしみついている。

ルミネを代表して「出ていけ」と私たちに迫った方が、店にお客様でいらっしゃったこともある。その時はルミネの代表でなく個人でいらっしゃるのだ。私はベルクという店の持つ個人主義的、自分が誰か忘れられる匿名的感覚が好きだ。救いを感じるのだ。素人の乱デモやツイッターデモにも似たものを感じる 。

全国的に駅周辺から既存店(主に個人店)を追い出すJRの論理は、生活がかかっているなら子供に養ってもらえばいいという超勝手なものだが、殆どの店がそれに従うため、まかり通ってきた。それを阻止したベルクを例外でなく前例とするためには、街や駅における店の役割、存在意義を問い直す必要がある。

ただいくら「個人主義」とか「匿名性」という言葉で説明しても、ベルクは来てみなければわからない、とよくいわれる。私も客としてベルクを利用するが、あの人混みの中であのメニューを試す感覚は独特なものだ。情報化するのが難しい。殆どのお客様が、偶然かご自分の嗅覚か口コミでここにいらっしゃる。

コンセプトの明確でない個人店の魅力が、そこにしかない、情報化しにくいものである以上、それを再開発の論理から守る論理はハイレベル過ぎて、私のような凡人には無理だ。幸いベルクにはプロの作家や批評家の方もいらっしゃっている。どうでしょう!本格的なベルク=個人店論を書いて下さりませぬか?

お陰様で営業継続決定!お客様の声がルミネに通じた!ことへの感謝セールとしまして、10月9日火曜日、ジョン・レノンの誕生日ですが(関係ないか!でもいいか!)、生ビール、一杯210円でお出しします。朝から一日中!連休明け、お祝い気分でまた盛り上がっちゃいましょ!ぜひお待ちしております。

今思えば退店勧告の通知、最初の差出人はルミネエスト店長だった。しかもタイトルが「警告書」だった。何の思い当たるふし(契約違反とか)もない、唐突な警告(しかも乱発)にビックリした。脅し?差出人が途中でルミネ本社に変わった。亡くなった谷社長の時「通知書」に変わった。少し気遣いを感じた。

普通、店は立ち退きの噂が出ただけでお客様のみならず業者さんもひいてしまう。特に業者さんは店が続く前提で在庫してくれたりする。その前提が崩れる。うちは幸運にも信用してもらえたが、ある職人さんが新しい調理道具を(価格が千万単位。半ばうちのために)購入する際、10年は続けて〜といわれた。

定期借家制度は、間違いなく飲食店の質を落とす。つまり、店にプロの味を求めるなら、問われるのは私たちの舌や腕だけではない。実はそれなりの調理道具を揃えられるかどうかだ。勿論それらはそれなりに高価だ。2年か3年で追い出されるかもしれない定期契約では怖くて買えない。肝心の投資がにぶる。

ルミネが駅ビルの家主になった時、ルミネに言われるまま新契約にサインしていたら、それは営業権を失う定期契約なので、いくらお客様の応援があってもルミネはうちを法的に強制撤去できるので、血を見たかもしれない‥?そうならなくて本当によかったが、定期借家制度の問題は今後も追い続けるつもりだ。

よく「移転すれば?」といわれたが、企業的な発想だと思った。ベルクはまだ知る人ぞ知る店。マックのように誰でも知っている店なら、どこでもすぐ商売になる。そうでない限り「商売になる」まで何年かかかる。移転したら振り出しに戻る。しかも今一等地は定期契約の可能性が高い。営業権まで失うのだ。

最初、定期借家制度についてネットで調べたら、家主にとって都合のいい情報ばかり(立ち退き料を払わずに借家人を追い出せる!みたいな)で、その問題を指摘する情報は皆無に近かった。実際には家主にとっても必ずしもお得な制度ではないのだが、とにかくその時ネットはあてにならないと初めて痛感した 。

従来の普通借家制度が、普遍的でなく、むしろ借家人が守られ過ぎているという意見はその通りにせよ、定期借家制度が、家主の立場が強い一等地でしか通用しない、認知度がわりと低い、店舗のみ普通→定期の途中切り替えが認められるという点=トラブルの要因を指摘する情報はネット上には殆どなかった。

ルミネとしては、出来ればうやむやにしたいのかもしれない。うちが立ち退きの通知を受け取ると騒ぎ、受け取らなくても騒ぐので頭を抱えているかもしれない。でもルミネさん、ここでハッキリしておかないとケジメがつきません。申し訳ないけどしばらく感謝セールで騒がせて頂きます。少なくとも年内は。

ベルクでは本日、朝一から、感謝の気持ちをこめて、生ビール1杯210円でお出しします!よかったら、ぜひ!乾杯しましょう!

営業継続決定に、ベルクは祝福ムードに包まれています。「花崎さんに手紙を書いた」とか「営業の人を泣かせてしまった」とか、お客様のお口から隠された事実も明かされ、頭が下がります。お名前は伏せますが、有名人も続々と駆けつけて下さり、「正義は勝つ」というお言葉、拍手、乾杯も頂いています。

ベルクを含む既存店一掃はルミネ上層部の(勝手な)決定とは言え、苦情は全て営業部にいきました。相当いったようです。それはそれでお気の毒でした。改めてこの場をお借りして、お世話になりましたとお礼申し上げたいです。よかったらルミネの皆様も、今日生ビール210円ですので、いらして下さい!

営業継続をお客様にご報告できて本当によかったが、業者さんたちも思いの外喜んでくれている。考えてみれば、うちだけのために用意してくれている食材が無駄にならないか、ハラハラだったろう。もし飲食のテナント契約が2〜3年の定期が当たり前になったら、業者さんは無難なものしかおろさなくなる。

飲食店の売上目標ですが、目安は賃料が売上の10%になることです。ただ駅ビル等では20%と決められてるから、どんなに頑張っても20%です。うちは交渉して15%に。売上がよくなると比率が下がるスライド方式にしてもらってて、売上がいいからどうにか。本来賃料は固定費ですが、せめてこれで!

今や駅ビルの賃料は売上の何%です。売上がいいと賃料が高く、悪いと安い。悪い店は即追い出す。そうしないと家主にうまみがないからでしょうが、せめてスライド方式にしないと店のモチベーションは下がります。営業権もないんじゃ一発当ててさよならです。それもいいが、それだけじゃ余りに味気ない。

飲食店で楽に大儲けできる、という幻想は今でもあるが、悲惨な結果を招きそう。水道光熱費はさておき、食材コストは30%に抑えられる?それは万々歳だが、お客さんは入らないだろう。あとは社員がサービス残業で働くか(人件費カット)、食材を薬品漬けの腐らない=ロスにならない工業製品にするか。

ルミネのようにビルの家主が商売に積極的なのは、悪いことじゃない。ただ店と家主がどう手を組むか、だ。例えば、家主は売り場には立たないが、全体的なイベントや広告で店をバックアップする。店も家主にお金を納めるだけじゃなく、お客様の反応等を伝える。商売の喜びを家主と分かち合う努力をする。

ベルクは(自称)表現者の集まりで、自分の時間を確保するために店を始めたような所がある。勿論片手間気分ではやらないと誓い合ったが、もし「時間」がなければ、立ち退きにあっても、お客様に問いかけたり、社会的にどんな問題につながるかと考えたりせず、日々の仕事をこなすので精一杯だったろう。

立ち退き問題では沢山の取材を受けたが、ベルクをご存知ない大手新聞社の記者の方はJR固有の問題を見ようともせず、古き良き時代の灯が消えていくというお話におさめる傾向が強かった。だから一方で東浩紀さんの(立ち退き反対は)「ノスタルジーにすぎない」という言葉が攻撃力を持ってしまうのだ。

ベルクの営業継続が実現したのは、本当にお客様のお陰だ。うちには法的正当性があるため、法廷で争えば?とよくいわれたが、うちと同じようにJRから立ち退きを迫られている店が、裁判官からJRを敵に回すな(自分達は権力者の味方だ)と脅されたりするのだから。ただ裁判官も権力者も世論には弱い。

ベルクの立ち退き問題に対して、①フツーに客として来店、②署名、③応援サイトへの書き込み、④ルミネへの抗議、⑤メディアを使ったメッセージ、と様々な形でのお客様の応援があった。⑤はメディア関係のお客様が、JR問題はメディアではタブーだから、ストレートでなく変化球で記事にして下さった。

JRの(違法すれすれの)強行なテナント立ち退きをはね返した前例はないといわれる。20年近くかけて築き上げたお客様、業者さん、スタッフ達によるネットワークが力を発揮した。しかし、本来、立ち退きと闘うためじゃなく、単にほんのつかの間くつろげる空間を確保するために自然と生まれたものだ。

JRが一度でも立ち退きを撤回するのは前代未聞らしいが、それを可能にしたのはお客様の力だ。私たちにとっても予期せぬ展開だった。ただ、このベルク独特の空気はお客様と職人たち、スタッフによるもの。「店は誰のもの?」という問いかけが自然と生まれた。それが家主はJRという圧力をはねのけた。

勿論、店の進退は私たちの生活にかかわる問題だ。が、単にそのための闘いだったら、あちらの思うツボというか、「話し合い」は密室を出ずに、最後はお金で決着をつけられただろう。原発にしてもそうなではないか。「生活を守る」だけでは弱い。例えば、海は誰のもの?という問いかけも必要なのだろう。

店長
インタビュー



ルミネの
罰則・罰金
制度

迫川尚子写真展
『おまつり'10.9.18』


10.9.26

罰金というのは、国(裁判所)が法に則って決めるもの。
個人や企業が勝手に決めるのは違法行為でやってはいけないことだそうです。


ルミネさんが勝手に決めた(防災の)罰則・罰金。
先日相談した弁護士からは「ありえない」と言われました。
合意の上でならまだしも、一方的な告知で「誠実な」(と通知書に勝手に書かれている)もないもんだ、と鼻で笑ってました。
ルールというのは、一方的に作るにしても、合理性がなければダメ。例えば、「火事を起こしてはいけない」なら誰もが納得がいく。
それでも、罰金はダメ。管理権の乱用にあたるそうです。
法的には、私たちテナントは家主ルミネに「従属」していることになるそうです。売り手と買い手の立場は逆転することがありますが、家主と借家人の立場は逆転することがまずない。ベルクがルミネの家主になることはまずありませんね。そういう関係を、つまり家主と借家人の関係を法的には「従属」関係と呼ぶそうです(ベルクはルミネの従属物じゃない!と今までさんざんいってきましたが、テナントの立場的が圧倒的に弱いのは確か)。経営者と労働者の関係もそうです。
従属関係にあるからこそ、家主は借家人に勝手なルールを強制できない、というのが法的な考え方だそうです。特に、罰金というお金にかかわるルールは認められないそうです。だから、経営者が遅刻したアルバイトから罰金をとるのも(一時間遅刻で一時間分の給料カットなら、罰金ではないが)、法的には認められない。すなわち、法的に争われれば経営者のほうが負ける。
「国家権力じゃないんだから」と弁護士は笑ってました。「でも、これが国鉄の体質なのでしょう」。


映像でご覧のように、ルミネエスト営業部の説明によれば、この罰則・罰金はルミネエストだけでなく、ルミネ全体で決まったそうです。要するに、ルミネ全体の問題なのです。

サイゾーの取材をうける


10.10.21

誹謗・中傷は、契約違反なので、テナントは家主に何をされてもビビリがちです。ただ、「誹謗・中傷」と「告発」は違います。
弁護士も、私たちが店の壁新聞やホームージで問題提起するのは、「表現の自由」で守られていると言ってくれました。
「表現の自由」って、それだけ聞くと「何を表現してもいいのか?」という議論になりそうですが、もちろん、何を表現してもいいわけではありません。ただ、何を表現するべきかは個々、あるいは批評家の判断にゆだねるべきであって、少なくとも(国家)権力にゆだねるべきものではない、ということだと思います。
つまり「表現の自由」とは、表現者に向けた言葉ではなく、権力に向けた言葉なんですね。
そこがわかっていないと、権力に奪われてしまう危険がある。


実際、西暦2000年あたりを境に、法律自体が権力側に都合よく変えられ始めた。
定期契約を認める法律が、まさに2000年に施行されています。やはりそれは象徴的なことだったんです。


日刊サイゾー 戦うカフェ「ベルク」はルミネの"異物"?

経営者も労働者か?


違法性が疑われても、即犯罪ではありません。だから悔しいですが、駅ビルが店から罰金をとるのは職権濫用だと私は思います(本来、「罰金」をとる権限は国家にしかない)し、抗議もしますが、それで決着がつかなければ裁判で争って裁判官に決めてもらうしかありません。罰金制度に関して、店(テナント)が駅ビル(家主)を訴えたという例は恐らくないでしょう。ただ従業員が経営者を訴えて勝ったという判例はあります。
例えばルミネのテナントの店員がルミネのネームプレートを紛失したり破損したりすると、2千円の罰金を払わされます。うちでは店が払いますが、店員(労働者)に払わせる店(経営者)も多いそうです。それは裁判で争えば、有罪でしょうね。店と駅ビルの場合、法人同士ということで微妙ですが、店(経営者)をエキタス流に労働者と考えれば、有罪になる可能性があります。
裁判は、裁判官の考えや弁護士の腕、過去の判例等に左右される面もありますから、やってみなければわかりませんが、あくまでも私の考えを申し上げれば、法人同士は対等な契約と言っても、労働者が経営者に従属しているように、店は駅ビルに従属しています。つまり労働者と同じです。実際、昨年、東京都労働委員会がフランチャイズ契約では店の経営者は本部に対して労働者(団体交渉ができる)と認めました。それだー!と思いました。

2016.4.17

どういうこと?


地図にないお店

9.11.9

(花崎会長は、国鉄のDNAをお捨てになったらしいが、これはもろ、国鉄のイジメ体質では?)


ルミネエスト上層階、7&8ダイナーは元々SHUNKANというMYCITYがプロデュースしたセレブ向けレストラン街でした。
責任者だった当時の営業部長は、10年愛される街をめざすと宣言しました
テナントは定期で入りました。10年契約だったという話です。
新宿駅のような一等地で10年は、今では異例の長さ。MYCITY時代はまだ良くも悪くものんびりしていました。
ただ、この壮大なプロジェクト、失敗したら、ビルごとルミネに受け渡すという密約があったとか。営業部長にしてみれば最後の大博打だったのでしょう。
しかし、駅利用者が慌しく出入りする駅直結商業施設で、これ見よがしの「高級志向」なんて、浮いた感じにしかなりません。大成功には程遠かったと思います。
ルミネがMYCITYを乗っ取った時点で、SHUNKANやB2のフードコートは5年くらい契約期間が残っていたはずですが、フードコートの方はあっという間になくされましたね。
最後に一店舗だけ残り、ビルの管理下にある洗い場とホールがまず閉鎖されました。ホールは部分的に機能していましたが、店の存在感はなくなりました。しばらく細々と営業していましたけれど。紙の食器を使ったりして。
最後に話がついたのか、その店が出ていく時にオーナーがうちにご挨拶にみえました。「頑張って」と。
7、8店舗集まるフードコートは、全部BEAMSになりました。
SHUNKANも、いくつかの店が出て行きました。出て行かされたのか、自主的に出たのかはわかりません(店によるでしょう)が、今もSHUNKAN時代からある店でルミネから出て行けと言われている店があると聞きます。
若い女性をターゲットに絞るルミネとしては、カジュアルなレストランフロアに一刻も早く変えたかったのでしょう。
ただMYCITYがルミネになって3年、単純に計算すればあと2年契約が残っているはずです。裁判にもなっているようですが、動向が気になります。
まあMYCITYとルミネ(JR?)の間にどんな約束があったか知りませんが、テナントが莫大な協力費を払い、多大な労力をかけて店を立ち上げるのは、10年20年という長期的展望があるからです。
失敗の原因が店にあるなら、あきらめもつきます。ビルの計画そのものが
ピントはずれであろうとなかろうと、続けられるかどうかは結局、一つ一つの店の努力にかかっているのです。
まだまだ続けられる店もあるのに、ビル側の都合でいきなり「なかったこと」にされるなんて、話が違うにもほどがありません?



(井野)






タケルンバ卿日記 ルミネエストに行ってきた


日刊サイゾー『契約書に効果なし!?』

記事のコメントに、「ヤクザに似た」という表現がありますが、ヤクザに失礼じゃないでしょうか?ヤクザには仁義というものがあります。それなりに筋の通し方ってものがあるのです。この記事を読む限り、筋も何も通っちゃいないのではないでしょうか

どういうこと?

2回目の避難訓練
ルミネエストB1 J階段

10.10.24

昨年の3月、ルミネさんによりベルクの裏の非常口が閉鎖され、その下(B2)のトイレが廃止されて、そこはビームスさんの店舗の一部になりました。最寄のトイレがなくなり、お客様には多大なご迷惑をおかけしています。そして、非常時の不安も増しました。映像は昨年に続き、2回目の避難訓練です。こちらから頼まないと訓練はしてもらえないので、何度もお願いして実現しました。ご覧のように、これがルミネエストさんの防災センターによる避難訓練の様子です。さあ、不安は少しでも軽減されましたでしょうか?


(井野)


○社員へのメール


非常時に冷静さを保つのは難しいでしょうが、次のことを頭に入れておく必要があります。
ベルク周辺で火事が起きたら、ベルクと本陣のあいだのフードポケット入り口ですね、そこのシャッターは閉まると思います。が、横の潜り戸は開いてますので、人が殺到するでしょうが、何とか誘導して順番に避難してもらうしかありません。そこが万が一使えない場合、裏から避難することになります。
地震で火事が同時多発的に起きた場合、B2からの避難者もいるでしょう。ただ、大半は表から、ビームス店内にいるお客様もやはり殆んど店頭の潜り戸から避難することになると思います。B2の裏階段を使う人がいるとしても、基本的にビームスのお客様かスタッフだと思います。
裏を使わざるを得ない場合、心配なのは鉄扉が開くのかということ。しかも地上に出るまで4つの鉄扉があると思ってましたから、スムーズに避難できるのかということでした。正直、今回の避難訓練でその心配はあまり軽減されませんでした。
ただ、二番目の鉄扉(裏の小部屋の扉)が完全に撤去されていたので、扉は4つでなく3つになっていました。
一番パニクりそうなのが最初の扉の鍵です。保安が一応遠隔操作で鍵を解除してくれることになっていますが、解除されていない場合、自分で取っ手の下の赤いプラスチックをひっぱって壊し、その奥にあるレバーをまわして解除しなければなりません。非常時でなければ、そんなに難しいことではなく、一回でもレバーを見てまわしている人なら問題ないですが、そうでないとパニック状態の中でプラスチックも壊さなければならないし、意外とあわてそうです。
映像に撮りましたので、皆さんに確認しておいてほしいです。
2番目の扉は鍵がかかっていません。ただし最初の扉は押し、次の扉は引くので、混乱する可能性は高いです。
地上に登って、最後の扉は鍵がかかっていますがプラスチックが付いていないので、比較的簡単に開けられると思います(これも映像で)。
いずれにしても、避難口としては手間がかかりすぎるので、営業部にさらなる改善を求めるとともに、消防署にも相談しようと思います。
ただ現実問題とて、社員各自、再度シミュレーションしておく必要はあると思います。
全スタッフにも伝えていきましょう。今後は新人研修の一環にした方がいいかもしれませんね。
よろしくお願いします。


映像 by 迫川尚子
音楽 by 井野朋也

トイレが廃止されたいきさつ↓

拝啓ルミネ花崎社長様/忘れられない場所(ベルク通信2009年3月号)

ボヤと非常階段とトイレ(お客様による応援ブログ、LOVE!BERG!)


※2011年10月1日現在、ベルクの隣にJRがルミネにつくらせたトイレがある。まわりの店が夜11時まで営業しているにもかかわらず、夜9時ジャストに閉鎖され、使えなくなるというシュールなトイレだ。

タバコ問題


震災直後に
警告書

ルミネ谷社長から、またもや「警告書」めいたものをいただきました。タイトルは「通知書」といくぶんやわらかくなりましたけど‥。
内容は、当社はベルクの営業を認めていない、ただ営業している以上、ルールを守れというものです。
新ルールとされる「罰金の大幅値上げ」や「全面禁煙」については、前にも書きましたように、まだ私ども同意しておりませんし、そう簡単に「はいそうですか」と同意できるものでもありません。
特に罰金の徴収は、それ自体が国にのみ認められた権限で違法行為です。また全面禁煙も、近くに喫煙所を設置するといった配慮なしに、ただ喫煙者を排除しろというのでは納得まいりません。
一つだけ、私どもが非を認めざるを得ないのは、リースラインに関するご指摘です。確かに、震災直後、救援物資を店の外に一時的に置かせていただきました。ふつうテナントの賃貸契約では、いかなる理由であれ店(リースライン)の外に物を出してはならないことになっています。もちろん、飲食店がイーゼルや椅子を店先に置くのはどこでも(ルミネ館内でも)見慣れた光景です。通行の邪魔にならず、消防法などにひっかかりさえしなければ、あとは家主さんの裁量にゆだねられるのです。ということは、たとえ1ミリでも物がリースラインからはみ出していて、家主さんがそれを「契約違反」とおっしゃれば、その通り(法的に正当)ですので、直ちに片付けさせていただきました。
この中で一番フに落ちないのは、「営業を認めない」というくだりです。法的に営業権が認められている店に理由もなくそうおっしゃるのは、やはり不当以外の何ものでもありません。


こうした問題を私どもがベルク通信やホームページでご報告するのは、何も社会に向けて「告発」してやる!とか大それた意図があるからではありません。あくまでもお客様に向けて、情報公開の原則を貫いているだけです。


先日、お客様の応援ブログ「ラブ!ベルク!」のオフ会に参加させていただきました。お客様からいっせいに沸き起こったのは、「(ベルクの)存続問題について、いくらルミネさんに問い合わせても、当事者同士の(契約)問題だと突っぱねられる、私たちは当事者ではないのか?」というお怒りの声でした。まったく、ごもっともです。私ども(ルミネさんもベルクも)、お客様あっての商売です。当事者でないどころか、お客様こそ主役。お客様がお尋ねになるのは当然の権利ですし、ルミネさんはそれにお答えする義務があるはずです。


今、東京電力が「秘密主義」とか「独善主義」という言葉でたたかれていますね。電力は私たちの生活に大きくかかわるものです。今まで、原発に少しでもマイナスなことをいえば「反原発」のレッテルが貼られ、少しでもプラスなことをいえば「原発推進」のレッテルが貼られました。しかし、それ以前に問題なのは、電力のあり方について、私たち消費者が自分で選択することも出来ず、自分で考え議論する材料(情報)も決定的に不足していたことです。情報をオープンにせず(メディアから流れてくるのは、いつも原発に都合のいいことばかり)原発を国策として進めるのは、国民に「何も考えるな」「黙って従え」というようなものです。電力会社は、その「国策」にあぐらをかいていたように思えます(メディアの大部分もそうですが)。


ルミネさんという会社の方針は「国策」ではないものの、営業権のある店の営業を認めなかったり、お客様のご質問に一切お答えしなかったりするのは、やはりルミネさんが単なる一企業ではなく、まさに国家‥しかも独裁‥に近いからかも知れません(だからヘーキで罰金がとれるのか!後ろ盾となるJRも東電並みにメディアへの睨みがきくし‥)。ただ、ご自分たち以外でルミネさんが国家だと思う人は誰もいないでしょう。たとえ国家だとしても、このような「独善主義」「秘密主義」はもう黙って見過ごされないと思います。


ところで、最近首をひねるのが、ベルクの奥(元水着売り場)に新設されたトイレのオープン時間(朝7時~夜9時)です。以前は、その真下にトイレがございました。当然ですが、オープン時間は館内の営業時間に合わせられていました。そのトイレはルミネさんにより数年前に廃炉じゃない、廃トイレにされました。この度JRさんが新しく作って下さったトイレは(それ自体はありがたいことです!)、クローズが夜9時(館内は夜11時まで)と中途半端なのです。連日、お客様からの苦情が相次いでおります。管理するルミネさんに問い合わせても、苦し紛れに「JRの言いつけだから」でおしまい。警備員も時計を見ながら、1秒でも遅れたり早まったりすることは許されない!と9時ジャストに鍵を閉めにきます。ロボットじゃないですよ、人間ですたぶん。そりゃ、ルミネさんにとってJRさんは親会社でしょう。どんな理不尽な命令にも「黙って従え」なのがJRグループの企業体質なのかも知れません。しかし、それをテナントやお客様にまで押しつけるのはどう考えてもおかしい。
ルミネさん、今こそ「お客様のため」という原点に戻りませんか。おかしいことはおかしいといいましょう!理不尽な要求に黙って従うことありません!





2011.3 ベルク店長 井野朋也

ルミネ谷社長の自殺は、理由は知りようもありませんが、私たちも驚きました。その時のコメントです。

「ベルク問題」というより、「JR問題」

ルミネ谷社長の訃報には大変驚き、ショックを受けております。

ベルクの立ち退き問題にからめ、メディア関係者からコメントを求められていますが、これ以上どうお答えしてよいものやら。

そもそも、駅ビルの買収&既存店一掃は、ルミネさんの企業方針と申しますか、JRグループが全国的に展開されていることです。売上の良し悪し、規模の大小、歴史の有無、営業権の有無にかかわらず、今まであったお店はことごとく追い出されます。問題はその進め方で、かなり一方的かつ強引なもの(時に違法スレスレ)です。しかも、テナントは商売上なかなか声をあげにくい。マスメディアも大スポンサーであるJRの批判は基本的にタブーです。その中で、不本意ながらあえて声をあげた当店ベルクだけが今目立っている状況です。
私どもがルミネさん並びにJRさんにうかがいたいのは、「共存共栄の道はない?」ということです。
しかし、「駅ビルの既存店一掃」はまるで国策のように大がかりに組織的に進められています。原発と同じで、一度決まったら誰にもひるがえせない。社長といえども、逆らえません。待ったをかけられるのは、唯一、世論しかないのかも知れません。

なのでこの問題は、当店を支持して下さるお客様にとってはあくまでも「ベルク問題」なのですが、世間一般にはむしろ「JR問題」でなくてはならない(ベルクだけの問題ではない)ように思います。

谷社長がJRからルミネに来られたのは、まだ一年ちょっと前のこと。あるテナントのオーナーによれば、とても温和で話のしやすい方だったそうです。
谷社長の名義でも、私どもは何度か文書をいただいております。どれも要約すれば、立ち退きを迫るものですが、タイトルが以前は「警告書」だったのが「通知書」に変わり、表現もいくぶんやわらかなものになりました。もしかしたら、谷社長なりのお気遣いだったのかも知れません。
今さらこんなことを申し上げてもしょうがありませんが、一度お会いしたかったです。本当に残念です。

心からご冥福をお祈り申し上げます。

2011.5.30
ベルク店長 井野朋也

HP

ルミネから
覚書

'12.4.21

ルミネから書留で文書がきました。
暴力団排除条例にのっとり、暴力団に何らかの「関与」があったテナントは無条件で契約破棄という覚え書きにサインしろ!(事業者の義務)というものです。
私がこちらのサイトに、黒のお客さん(元稲川会若頭)のことを書いたから?
まあうちだけでなく、全テナントに向けられたものと思われますが。
私たちには、暴力団なんかより、何かと契約変更を強要するルミネ(JR)のほうがずっとタチが悪いわけですが。
暴力団であろうがなかろうが、問題が起こればその問題と向き合うしかない。暴力団というだけで「排除」はあまりに安易で短絡的(危険)な考え方です。私だって、JRというだけでJRを全否定はしませんから。
というわけで、覚え書きにサインするつもりはありません。
宮崎学さんらの「暴力団排除条例の廃止を求め、暴対法の改悪に反対する表現の会」の共同声明にはこうあります。
「暴対法は、ヤクザにしかなれない人間たちが社会にいることをまったく知ろうとしない警察庁のキャリア官僚たちにより作られた。さらに危険なことは、暴力団排除を徹底するために、表現の自由が脅かされることだろう。条例施行以後、警察による恣意的な運用により、ヤクザをテーマにした書籍、映画などを閉め出す動きをはじめ、各地各方面で表現の自由が犯される事態が生まれている。こうしたなかで、金融、建設、港湾、出版、映画などさまざまな業界で、『反社会的勢力の排除』『暴力団排除』をかかげた自主規制の動きが浸透しつつある。萎縮がさらなる萎縮を呼び起こす危険が現実のものになっている」
全く同感です。

勿論、絶対的正しさなんてないし、お互い譲り合うといっても深刻な衝突やすれ違いは起こりうる。それでもタランティーノが言うように「仁義」ってものがあるよね。話がついていないのに無理やり進められる原発や再開発って、正しいとか間違い以前の問題だ。高倉健の映画なら、「死んで貰」うしかない。

花崎会長退陣


2012.6



ルミネの顔とも呼ばれた花崎淑夫会長が突然の退任。関係者によれば、お別れの言葉もなかったという。

店長ツイッターより(2012.9.22)


1

ルミネの元ワンマン社長、花崎さん突然の退任は、流通業界では「事件」なのだろう。お客様からいただいた雑誌の記事では(激流?)、ルミネの「成功」でテングになった花崎さんはJRにほされたものの、業界ではヒッパリダコと分析をしていた。しかし業界は花崎さんをちょっと持ち上げ過ぎではないか?

2

少なくとも私の中で、花崎さんは、国鉄時代に民営化の最前線にいながら、JRの権力闘争に敗れ、駅ビルに飛ばされた人というイメージが強い。JRグループの中でも、駅ビルは最も辺境にある。そこで業績をのばし脚光を浴びたくらいで妬まれたとしたら、JRはあまりにみみっちい会社ということになる。

3

駅直結のビルに有名ブランドを集める。当たらない訳がない。ただ、昔からある駅ビルでそれをやるには、営業権のある既存店をどかさねばならない。それが最大のネックだった。が、00年の法律改悪により、契約書さえ変えれば営業権を奪えるようになった。ルミネはそれを使って、既存店の追い出しに成功。

4

花崎さんの経営手腕といっても、実際にコーディネートするのはコンサルタント会社だ。ただ花崎さんが注目されたのは、その独裁ぶりにだろう。全員納得して動くような民主的経営では、思い切ったことができない。時間もかかる。多少強引でもワンマンの方が話は早い。結果主義の世の中にぴったりなのだ。

5

ルミネの違法すれすれの強引なテナント追い出しは、当初から専門家の間で「ヤバい」といわれていた。民主的な経営者なら怖くてやれなかったろう。問題化したらアウトだからだ。花崎さんだからやれた。ベルクで躓いたが、幸いメディアはルミネを問題視せず、ベルクを守ろうと報じた。ルミネは救われた。

6

ルク問題は、ルミネにとって致命傷にはならなかった。ただ、憶測でしかないが、もし雑誌「激流」のいうようにJR上層部の中に花崎さんの「活躍」をやっかみ、足を引っ張ろうとする動きがあったとすれば、ベルク問題は格好の材料になったかもしれない。だとすれば、足の引っ張り合いにしか見えない。

「立ち退きの経験が役立った!」

2013.10

ルミネさんの「立ち退き勧告」撤回で、店がお祝いムードに包まれたのがちょうど一年前の10月でした。お陰様でベルクは今日も元気に営業を続けています!ところで、昨年、私の親が地主さんから地代のお知らせを受け取り、中身を読んだら、3倍近く値上げとありました。あまりに突然で、生活のやりくりをどうすればいいか途方に暮れました。家は手直ししたたばかりだし、とても愛着のある家なので、出ていくのはやりきれない。値上げの理由はややこしい計算で説明されていて理解不能。もうどうすりゃいいの!と無力さに地団駄踏んだり。その時、立ち退きを迫られても最強の笑顔を失わない副店長と、相手もこちらの出方を恐れているのだと冷静に分析する店長のことを思い出しました。そうか、地主さんも言うだけ言っているのかもしれない、私も素直に言うだけのこと言おうと思って、今の家で今の地代で暮らしたいです、お願いしますとお返事したのです。怒ったら負けという店長副店長の言葉を思い出し、誠意ををこめて書きました。値上げは3倍が一気に1・3倍に下がり、交渉成立。ベルクの立ち退き問題は悪夢のような出来事でしたが、お客様の応援、スタッフや職人さんたちとの団結もあって、今思えばとても貴重な体験です。これからも人生の試練に役立てそうな気がします。

今香子

のっとるかのっとられるか


06年の春、新宿駅ビルのマイシティがルミネにのっとられ、すぐにテナントの追い出しが始まりました。うちも翌年に退店勧告を受け、それが撤回されたのが12年の秋。その間、お客様を巻き込み、メディアに続々ととりあげられて、騒動は5年続きました。まわりからはよく耐えたとほめられます。私は永久に終らない覚悟でいたので、いかかか拍子抜けでしたが。
耐える秘訣ですか?いえ、私たちはいつも通り営業を続けただけです。困ったのは、人への説明くらいです。なぜベルクを追い出すのか?とよく聞かれました。それをそのままルミネに投げかけたかったです。私たちにもわからなかったですから。昔から駅ビルは権力地図が塗りかわるたび、店のいれかえがおこなわれました。でもうちのように実績のある店は生き残れたのです。ルミネの場合、どの店も例外なく「一掃」しました。その理由は今でもはっきりしません。
ただ私が一番驚いたのは、テナントの多くが家主の理不尽な要求にあっさり従ったことです。追い出しの理由は、一言でいえば「ルミネの色に合わない」「どんな色ですか?」とうかがっても、「それはルミネが決める」と禅問答です。つべこべ言わず出ていけということでしょう。
相手がJRグループなので勝ち目がないというあきらめもあったのでしょう。家主との信頼関係をコツコツと築いてきたはずのテナントにとって、突然の三行半はショックが大きすぎ、冷静な判断力を失ったということも考えられます。
私自身は、親の店を継いだのですが、親のコネでこんな一等地に店を構えられるのは何かのマチガイ?だとしたら、むしろ自分たちがのっとったつもりでいようと腹をくくっていました。幸いお客様が応援して下さったので、じゃあ一緒にのっとり続けましょう!と迷いがなかったのです。

井野

阿佐ヶ谷と
下北沢