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写真とベルクのあいだでⅡ

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ネストビールでおなじみの
木内酒造へ

10.2.21




ベルク・スタッフの
宮崎智子(ホームページ担当)、
市原結美(ビア・テイスター)、
愛染恭介(ベルク通信編集長)が、
茨城県の木内酒造にお邪魔しました。





木内酒造に着いて、最初に
蔵内にある「そば屋」で
そばをごちそうになりました。
木内酒造のある茨城県は、
元々麦生産量が日本一(今は
「大麦工房」のある栃木県)
だったそうですが、茨城にしても
栃木にしてもやせた土地が多く、
やせた土地には麦やそばの
畑作が適しているそうです。
木内酒造の周りの農家で大麦を
作ってもらい、裏作でそばを
(どちらが表か裏か忘れましたが…)
作ってもらい、麦はビールに、
そばはごちそうになったそば屋で
使っているそうです。地元の
産業をもまき込んでいく木内酒造、
恐るべし!

ビールが売れない中、どこのメーカーも
発泡酒に力を入れていますが、木内さん
の話では、ビールよりも発泡酒の方が
いろいろ添加している分、コストもかかる
そうです。コストが高い上に価格を下げて
いるので、どこも大変厳しそう。
あらゆるしがらみや悪循環の中で、
サッポロやキリンなどの技術者の本音は
どうなのか。(もっとビールを造りたいのでは?)
木内酒造のブルワー、谷さんは、サッポロの
技術は素晴らしいと讃えます。現に、谷さんの
教科書は、昔のサッポロの技術者が書いたもの
でした。地ビールの認知度は高まっている
とは言え、ビール業界全体のシェアは0.04%
に過ぎません。アメリカでは4%だそうです。
人口比率から考えたら、桁違いすぎる数字。
木内の海外出荷率も年々上がる一方で、現在、
出荷の40%が海外、来年には50%になるだろう
と。でも、麦やホップは海外からの輸入です。
我々は何をやってるんだろうと谷さんが言いました。
サッポロは100年前に国産の大麦に着手しましたが、
戦後、国産麦はすたれ、生産者もいなくなりました。
ところが、何と東京都練馬区豊玉の畑で、国産麦を
よみがえらせた人がいます。金子さんという方ですが、
木内はその金子さんの大麦を使った金子ゴールデンを
仕込中です。ホップはカラチ・エースといって、
これも元々国産の北海道カラチという処で生産されて
いた(現在、生産者なし)ホップがアメリカに渡り、
大ブレイクしたもの~を使用。正真正銘の地ビールが
誕生しようとしています。カラチホップのビールは
すでにあって、試飲しましたが、その強烈な個性に
いっぺんにとりこになりました。レモングラスの香りと
強い苦味…。東金屋さんがそうであるように、木内も
おしみなく設備投資していました。中でもビックリ
したのは、瓶詰め機。瓶詰めの無濾過ビールって、
ふつう要冷蔵なのはもちろん、賞味期限も製造から
2週間くらですが(それしかもたない)、木内はこの
機械を導入してから、「要冷蔵」の文字をなくし、
常温で数ヶ月という賞味期間を誇っています。
従来の(安物)機械だと、CO2でビール(液)を
瓶に充填するだけでしたが、木内の高~い機械は、
瓶の酸素を1回抜き、CO2を充填し、さらにその後
ビールを流し込むという2度手間、3度手間を惜しみなく
することで、劣化を防ぎ、常温保存を可能にしたそう
です。ビール工場では大量の水を使用しますが、水や
廃材の再利用も徹底していました。削りとられたお米の
廃材をおせんべい屋さんに引き取ってもらったり、
家畜のえさにしたりという日本酒の蔵ならではの
循環の知恵が生かされているのでしょう。




(愛染恭介)










今回の訪問で、ビールの作り手のお話がうかがえ、
これから私たち売り手がお客様に向けてどのように
発信していくべきか、考えさせられました。単に
珍しいもの、貴重なものというだけでなく、
ふつうにビールを飲まれる方が、当たり前に口に
されるような、それでいて間口も広げ楽しめるような
お手伝いができたらと思います。さらに企画もいろいろ
考えます。よろしくお願いいたします。





(市原結美)








写真 by 宮崎智子
音楽 by 井野朋也