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ベルクの卵の親たちに会ってきた!

10.5.17



ついに行ってまいりました!小林養鶏農園に。
以前、取材を申し込んだことがあるのですが、
鳥インフルエンザ以降、どこの養鶏場も部外者が
入れなくなって、せっかく来ていただいても
ご案内することができないと小林さん、
申し訳なさそうというよりほんと悔しそうで、
わたしたちもあきらめざるを得なかったのです。
でもやっぱり入り口の看板だけでも見たい!
ということで、今月の14日、あえてアポもとらず
町田へと向かいました。横浜線の相原駅を降り、
神社と団地を突っ切って山の中へ入るという、
ただそれだけの地図を頼りにぐんぐんと山奥へ。
結果を申しますと、小林則幸さんと(小林3兄弟の
次男の方)やっとお会いすることができました。
古いお付き合いなのに、私たち初対面だったんです。
ベルクにも何度かお客様でいらっしゃているのですが、
ずっとすれ違いで。積もる話がありすぎて、お互い
興奮しまくり。則幸さんが水彩画の画家であることも、
今回初めて知りました。ニワトリの絵を描かれている
そうです。今度、ぜひ拝見したい!はじめは師匠に
すすめられ、ニワトリ?うんざりと思ったそうです。
そうかも知れません。私もベルク本を作った時
そうでした。うんざりはしないまでも、身近過ぎて
なかなかベルクの写真が撮れなくて。則幸さんは、
やはりベルクの立ち退き問題が気がかりらしく、
今までのいきさつを詳しくご説明しました。
鶏舎にはもちろん近づけず、事務所でお話した
のですが、トリたちのエサを作るところを見せて
いただくことになって、もう驚きと感動の嵐でした。
本当に手作りなんですね。美味しそうというか、
絶対にあれは美味しい。人間が食べても。
消化を助けるために砂が入っていて(ニワトリは
歯がない)、そこだけ私たちには不向きですが。
あとはもう詳しくお教えできなのが残念ですが、
山のもの(自生する薬草や野草)海のもの…
自然のものばかり配合しています。袋を開けると
潮の香りがしたりして。山の中でですよ。すてき。
業務用の餌は使いません。何を使っているか
わからないからです。それを与えると、面白い
くらい卵を産むそうです。何か薬品でも入っている
のでしょうか。だから小林養鶏農園のニワトリたちは
みな慎ましやかに卵を産みます。文字通りの自然卵!
なんですね。鳥インフルエンザ以降、放し飼いもしにくく
なりました。それでも鶏舎は自然環境にさらされています。
夏は暑く冬は寒い。生き物相手ですもん。タヌキに襲われ
ないよう罠をしかけたり、西日を遮断したり。24時間気が
ぬけないとおっしゃってました。そうでしょうねぇ。ニワトリは
皮膚呼吸出来ないらしく、強風にも弱い。水を補給しながら
体温維持をするそうです。その水が万が一止まってしまったら、
完全にアウトです。私たちはニワトリのことを何も知らない!
と思いました。実は、鶏舎の中は無理でしたが、入り口まで
案内していただいたのです。3歩歩けば忘れるというのは
本当で、バカなトリですが、エサをくれる人はわかるようです
と則幸さんがいうように、鶏舎に近づくとトリたちがいっせいに
るるるるるるると歌いはじめました。ベルクの卵の親たちとも
ご対面できたし、大感激の1日でした。





(迫川)








養鶏場には2種のニワトリがいました。
白いのがさくら、赤いのがもみじだそうです。
ベルクの卵の親はもみじです。




(井野)







映像&写真 by 迫川尚子
音楽 by 井野朋也


















小林養鶏農園

10.5.19




複数の業者さんが口をそろえ、取引先の飲食店が
続々とつぶれていると打ち明けてくれました。すごい
危機感が伝わってきました。不況のせいもあるでしょうが、
人々の街にくりだすという感覚が薄れているのかも
知れません。街がつまらなくなっている。何かがあるという
期待が薄れている。私たちは街や飲食店に、大げさにいえば
自分が生きていることを確認しに行くのだと思います(毒も薬も
含め)。単に欲求を満たすためだけではない。私たちはブロイラー
(機械=目的の一元化)のニワトリではありません。でも街や
店はどんどんブロイラー化している。自分で自分の首をしめて
いるようなものです。小林養鶏のニワトリは美しかった。
単に卵を産む道具ではなかった。とは言え、私たちが街歩きを
やめないのは、たまに「キアリ」(西国立)のようなお店を
見つけるからです。小林養鶏農園の帰りに寄りました(2度目)。
切り立ての生ハムにパン、鯛のピザ、ホタルイカのサラダ、苺の
リゾット、鹿肉のホワイトクリームソース…デザートがフキとミカンの
皮の砂糖漬け、フルーツ・チーズ。そして、赤ワイン(アリアニコ)!
どれもツボにはまりすぎ。





(井野)








写真 by 迫川尚子
音楽 by 井野朋也