小さな店の店主が過剰な嫌煙運動(喫煙者叩き)とツイッターフェミニズム(男叩き)にダブルで叩かれるという最悪のケース!!!!……本文
2018年秋の「ベルク炎上」は、嫌煙運動とフェミニズムの最悪なケースになりました。
どちらの運動も私は支持しています。
が、例えばタバコの煙は臭いから規制されたのではありません。健康を脅かすからです。喫煙者のマナーが悪いからでもありません。そう言うと「臭いのは事実」「マナーが悪いのは事実」と反論されますが、分けて考えないと。
喫煙者のマナーが悪いから自業自得?そうかも知れませんが、じゃあ嫌煙運動って復讐運動なのでしょうか。実際、煙が法的に規制されたことで、お上に「復讐」のお墨付きをもらったつもりの人がいます。そういう人にとっては、喫煙者や喫煙可の店を叩くことが嫌煙運動なんですね。
フェミニズムも本来、(男)社会を変えるための運動なのに、男への復讐と勘違いしている人がいます。気持ちはわからないではありません。でもそれを運動に取り込むと、悲惨ですよ。
喫煙可の店の店主というだけで、また男というだけで私は寄ってたかって叩かれました。憂さ晴らしにはなったでしょうが、それで社会は少しでも良くなりましたか?
始まり
具体的なやりとりはこちらをご覧ください。
ツイッターフェミニズム 新宿ベルク炎上 War is over!→
ただの飲食店叩きであれば、皆さんもっと慎重になるか止めるかしたと思いますが、店を叩いているのがフェミニズム関連の方たちでキーワードが「女性差別」だったため、お墨付きをもらったかのようにベルク大バッシングが始まりました。
ツイッターで私がベルクのお客様の感想ツイートにリプライしたのが始まりでした。「久しぶりにベルクに来た」「おいしかった」「自分もかつて喫煙者だったが、今は吸ってない」「でもベルクは全面禁煙ではないのか」というどちらかと言えば好意的な内容でしたので、つい親切のつもりで(この方もタバコとの関係においては紆余曲折があったのだろうと勝手に親近感も覚え)喫煙者と非喫煙者の共存の可能性を探るという店の分煙に対する考えを書いた文章(FBへの投稿。店の壁にも貼ってある文章)のURLを貼りました。「ご利用ありがとうございます。よかったらこちらをご覧ください」というメッセージとともに。
「これを読んで、喫煙者が気を使うようになった」とか「非喫煙者も頷ける内容」とか、私の知る限り常連さんにもスタッフにも好評な文章でしたので、まさかこんなことになるとは思いませんでした。
リプ先はf the minionという匿名アカウントでしたが、アイコンのイメージから私は中年男性と思い込みました。後からわかったのは、相手は女性で、しかも発言力のあるツイッター・フェミニズムと呼ばれる方だったということです。リプ直後にその方以外の複数のアカウントから、お前はとんでもないことをしたという趣旨のリプを続々と頂きました。ご本人も気分を害されたようです。
なぜかはわかりません。突然のことにビックリされたのか。咄嗟に「不躾なことをして、ごめんなさい」と私は謝りました。悪意がなかったことをお伝えしたかったのです。フツーはそこでおさまります。が、おさまらなかった。私の唯一の間違いは、フツーの感覚の持ち主ではない方(たち)の相手をしてしまったことです。
相手はおさまらず、あの文章は非喫煙者ヘイト(差別)だと非難されました。どこがヘイトですか?と伺うと、それには答え(られ)ず、(自分が女性なので)ベルク店長は女性を狙い撃ちしている、女性差別者だというデマをでっち上げました。
そのデマが「珈音」という別の影響力のあるアカウント(ツイッター・フェミニズム)のツイートによってあっという間に拡散されました。が、さすがに根拠が弱すぎたのでしょう。炎上の最中、ご本人の珈音さんからツイッター上で撤回と謝罪をして頂きました。
私と店へのバッシングは過激になる一方でした。「痴漢」とか「子殺し」とか何でもありです。なぜ痴漢なのか。店主がエゴサーチしてお客にリプするのは痴漢と同じ犯罪行為だそうです。なぜ子殺しなのか。喫煙可の店で妊婦のスタッフを働かせるのは(本人の意思であっても)子殺しと同じ犯罪行為だそうです。裁判所でもないのに、人のことを勝手に犯罪者呼ばわりするツイッター・フェミニズム。ますむらひろしさんが仰るように、まるで魔女狩りでした。
ベルクを駅ビルから追い出すための署名も呼びかけられました。かりに冗談としても、冗談ですむ話でしょうか?彼らの間では「ベルクを潰せ」が合言葉になり、どこかベルクの弱みはないかと過去のデマまで掘り起こされました。とっくにデマ認定されたデマでしたが。
うちはクソが付くほど真面目に商売しているので、結局どこをどう叩いても塵ひとつ出ないのです。それでも引くに引けず、私のツイートの誤字や脱字を見つけてドヤ顔したり、「店長に差別する心がないと言いきれるのか」と他人の心の中まで踏み込もうとしたり、「店長は戦犯の孫だ」と40年近く前に亡くなった私の祖父のことまで引っぱりだして鬼の首を取ったように騒いだり(「戦犯」も調べればすぐデマとわかります)やりたい放題でした。
店やビルにも続けて直接、嫌がらせの電話やメールが入りました。電話のクレームはいきなり「女性差別はやめろ!」と大声で怒鳴るという悪質なものです。電話をとったのはたまたま全員(妊婦を含む)女性で、皆ショックを隠せませんでした。クレーマーによれば「すべては店長のせい」でした。
お店は何を言われても言い返せない立ち場にあります。だからバッシングのターゲットにされやすい。リアルの世界でも店や店員は八つ当たりの対象になります。またネットの世界では一度ターゲット(叩いてもいい人)が見つかると、それに便乗して無責任にいい加減なことを言う人がどんどん現れます。「よくわからないけど、ベルク怖い~」とか「ベルク気持ち悪い~」とか「ベルク二度と行かない~」とか。
それに対して私も「よくわからないなら口をはさむな!」「無理して来なくていい、店なんていくらでもあるんだから!」とマトモに応じてしまいました。接客業として考えれば配慮が足りなかったかも知れません。ただ客でも何でもない匿名の野次馬相手に接客する必要があったでしょうか。一方で事実を丹念に追う方たちもいました。ベルクや私への同情、擁護、応援の声も次第に高まりました。
返信は、いりません。→
今振り返ってみると、デマにのってベルクを叩いたのもそれに抗議したのも、その大半はベルクにいらっしゃったことがなく、ベルクが何であるかもご存知ない方たちでした。逆にリアルのお客様の大半はネットの炎上をご存知ありませんでした。叩いた方たちは単にこいつは叩けるというネット上の空気を読んで叩いただけです。抗議した方たちは、「ベルク擁護派」などと呼ばれましたが、ベルクを守るというより単に経緯を押さえておかしいことはおかしいと言ったまでです。
「擁護派」には当然のことながら女性も含まれますが、その方たちは(うちの副店長も)「名誉男性」と揶揄されました。「フェミニズム」の発言とは思えませんでした。
ただツイッターフェミニズムだか嫌煙ファシズムだか知りませんが、最初に絡んできた人たちとの「対話」はとっくに諦めています。彼らに共通するのは他者がないということです。こちらから何か問いかけても、彼らは自分の妄想としか話しません。
私の知人にも一つの不安が妄想として膨らんで、恐怖に支配されてしまう人がいます。彼女にはそれが病的なことだという自覚があって、カウンセリングも受けています。専門家はその妄想を絶対に口外しないようにと助言したそうです。ところがネット(ツイッター)では「怖い怖い」と妄想を垂れ流す人たちと「わかるわかる」と同情する人たちが野放し状態です。
デマによるバッシングを受けた当事者であれば、デマが悪意でなくてもただの被害妄想とわかります。が、デマは(被害妄想に過ぎない)「被害者」に無条件で寄り添う心優しき人たちによっても拡散されます。善意だからなおさら広がりやすい。それに反論すれば「言い訳は見苦しい」と更に叩かれます。
反論しなければ炎上はあんなに広がらなかったと仰る方もいますが、どんなに燃えても反論してよかったと私は思います。でなければ「女性差別」という濡れ衣を晴らすことが出来なかったので。今でも「人間性が疑われる」とか「馬鹿」と言われますが、それはあながち間違いではないので構いません。
まあ何にしても、ネットの炎上はあくまでも匿名を中心とするネット上の出来事だということです。それが身にしみてわりました。そしてうちのように身元を明かしているものだけがリアルの世界でも実害を被るということも。
少しでも反省し、ベルクでコーヒーの1杯でも飲んで行ってくださればすべて水に流せるのですが、結局デマに便乗したバッシングですから、叩いている方たちは叩く快楽に酔いしれて、飽きればさっさと別のターゲットを見つけます。炎上がおさまった今、私のことなどケロッと忘れているでしょう。叩かれた方は忘れずにいますが。(店長)