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寅さんの見れなくなる日

危険なもの?原発でしょ。覚せい剤。煙草。お酒。じゃー危険とわかってて、お付き合いしたいものは?やっぱ、お酒かな。では、あの、ヤーさんは?わざわざお付き合いしたいとは思わない。じゃー恋人がいきなりヤクザになったら?引き止めるとは思うけど、別れられるかどうか、微妙です。だって、ヤクザというだけでその人のこと全否定はできないでしょ?
先日、ルミネさんからまた書留で文書を頂きました。暴力団排除条例にのっとり、暴力団に何らかの関与があったテナントは無条件で契約破棄という覚え書きにサインしろというものです。何らかって。どうにでも解釈できますね。とにかく決定権はあちら様にある。
もちろん、サインするつもりはありませんが、企業としての焦りがあるのかな。池田信夫さんもおっしゃるように、これからの時代、生き残れる企業はトップ独裁の企業です。その方が瞬時に決定が下せて、効率がいい。でもかりに企業だけが生き残れたとしても、そこから外れた人たちが生き辛く、そこに属する人たちも息苦しいのでは、何の意味があるでしょう?
ところで、今は堅気の元組長さんに伺った話ですが、ヤクザは自分の親分が絶対なんですって。自分の親分とその上の大親分、どちらについていくかといえば、自分の親分なんですって。ヤクザは中央集権化しにくい。組織として見たら効率悪い。もろサシの世界(お前さんあっての私)なんですね。何か人間味がありません?
いえ、だからヤクザは良いといいたいんじゃありません。でも、あらためて宮崎学さんたちの「暴力団排除条例の廃止を求め、暴対法の改悪に反対する表現の会」の共同声明を読むと、「暴対法は、ヤクザにしかなれない人間たちが社会にいることをまったく知ろうとしない警察庁のキャリア官僚たちにより作られた」とあります。「臭いものに蓋」というか、何か安易な感じしません?
法的強制力はないのに、業界でも自主規制が強まってて、ヤクザをテーマにした映画や小説が作りにくくなってるんだとか。もし日本が煙草も吸えない、お酒ものめない、寅さんも見れない国になったらどうします?私には考えられません。


2012.4.26 迫川



井野のツイッターより

「寅さんの見れなくなる日」に、寅さんはヤクザじゃないとクレームを頂く。確かにテキ屋=暴力団組員ではない。しかしよく読めばわかるが、この記事はヤクザをテーマにした映画が作りにくい状況を憂慮している。ヤクザのしきたり(仁義)が、寅さんの重要な要素であるのは間違いない。

元々、労働者の使い回し・使い捨ては、建築現場などでは当たり前、しかし非合法的におこなわれていた。その調達・管理をヤクザが担った。「派遣」は、その合法化を意味する。ということは暴力団対策法は、ヤクザが危険だからというより、ヤクザはもう用済みというお上の都合から生まれたものなのでは?

ヤクザ映画は、仁義というヤクザ独特の美学をテーマにした映画といえるが、たけしの「アウトレイジ」は、ヤクザ映画とはいっても、ヤクザもついに全面的にルミネ化‥いや、企業化する(トップですら組織の歯車の一つに過ぎない)という不気味な映画で、私には面白かった‥