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赤木いったい、今回の福一の事故で、どこの誰が放射能(?)が原因で死んだんですか?

井野:原発産の放射能物質が化学薬品に似ているのは、身体に不必要でも身体がそう認識せず留まり易いこと。何かの病気で死んでも、それだけを原因としにくいこと。ただ身体が弱っている人(免疫異常の人等)には、それがトドメになりそうな恐怖があること。

赤木:いまだに放射性物質にこういうわけのわからない妄想を抱いている人がいる。アイコンがギネスだけど、アルコールのほうがよほど人体に害だから。

井野:そうですね。私も放射性物質がアルコールより有害とはいいませんし、いえません。毒か薬かというのは、その人の体調や状況によっても変わるでしょうし。ただアルコールが毒になる場合、身体にすぐ反応が出ますね。私も今二日酔いですが。
すぐ身体が(拒絶)反応せず、体内にずっと留まるものにはある種のウイルスもいますね。そのままじっとしていてくれればいいが、何らかの条件が重なると悪さをしだす。放射性物質がそうでなければいいのですが。

赤木:放射性物質はウィルスではないので、そんなことはしません。体に与える影響が軽微であることも分かっています。これだけ明確に分かっているのに、どうしていちいちそういう無駄な妄想を重ねるのですか?

井野:なるほど!まあウイルスも人間と共存したいので、自ら悪さをする訳ではないそうです。ただ人間にとって不必要なものが体内に留まるってどういうこと?と思ったもので。無闇やたらと恐れるのはよくありませんが、そういう素朴な疑問が頭をかすってしまい‥。

赤木:これは事故直後から何度もツイートしているけど、低線量の放射線が体に与える影響は、生活習慣に埋没する程度の極めて少ない影響でしか無いことは明確に分かっています。このことを理解できない人間が放射線の害について何を語っても無意味です。

井野:それと私の頭をよぎったのが、昔見た水俣病の映像。自然の水銀は子供を宿した女性の体内に入っても子宮がガードする。人工水銀は子宮がわからずガードしない。胎児に影響を与えたのです。今の段階では騒ぐ程でないにしても、人工放射性物質も油断できねぇなぁと思ってしまいました。

赤木:いまだに「人工は悪で、自然は正義」という文脈で他人を説得できると思っているんだろうなぁ。
「自然は善」の方がいいか。
でも、3月11日に、多くの人の命を奪った地震と津波はどちらも「自然」だよ。

井野:そういう文脈でいうなら、私は自然をライオンと思ってます。檻にいれないと(管理しないと)人間は付き合えない。まともに相手にしたら殺されかねない自然とどう付き合うかが文明の課題でしょう。自然が善か人工が悪かというよりも。

赤木:でも、自然の水銀は子宮が勝手にガードしてくれるから安全なんですね。

井野:いや、確かに私もその映像に支配され過ぎていて、慎重に考えなければならないんですが、ポイントは自然界のものなら身体はある程度反応を示すというところです。それがずっと私の頭の中にひっかかっていて‥

赤木:気のせいです。そういう「自然は善だ」みたいな考え方をする人が、一部の例外をこぞって取り立てたり、印象操作でデタラメを言ったりするので、そういうふうに見えるだけです。仮に違う反応を示すのであれば、それは違う物質です。
例えば、エチルアルコールとメチルアルコールは別の物質ですが、それを「アルコール」とひとくくりにすれば、おかしなことになるのは当然です。

井野:ところで、人間も人工的に管理されているとはいえ、元は自然物でしょう。だから善とか悪という話でなく、人間も100%管理しきれないところがある。私も自分でなぜ赤木さんに向けてこんなツイートしてるのかわからないところがあって‥

赤木智弘さんの「反原発デモ」批判で一貫しているのは、デモが「反原発」一色になる傾向にあり、格差社会や貧困という本来の問題が見えにくくなっているという指摘だ。とりあえずそれはそれこれはこれで運動を進めていいと私は思うが、彼の指摘にははっとさせられるものがあり、いつも気になっている。

私自身は「反核」の立場から原発に反対しているが、それ以上の根拠をあげるのは意外と難しい。原発に一番物言う権利があるのは一番直接危険にさらされた原発労働者たちだろう。しかし、彼らは働くのに精一杯でなかなか声をあげるところまでいかない。彼らとどうつながれるかは「反原発」の課題だろう。

赤木さん、お忙しいのに、お付き合いいただいてありがとうございました。とてもスリリングで楽しかったです。勉強になりました。って、勝手に終わらせてるみたいですが、何かありましたら遠慮なくご意見ください。よろしくお願いします。ベルク店長

赤木:自然だろうが、人工だろうが、何もかもに100%などという事はあり得ません。しかし、明日太陽が東から登るか?と聞かれれば「100%登る」と答えていいのであって、完全に100%ではあり得ない事を理由に「西から登る事もある」とするのはまちがいです。

井野:まあ免疫が一応働いていれば、体内に入った毒物を排除してくれると思うんですが、未知に近い物質に関して俺の免疫はちゃんと判断してくれるだろうか?という不安は正直残ります。ただ、赤木さんと議論して、私もイメージに縛られていたところがあるとわかり、随分すっきりしました。

赤木:基本的に「自然と人工」ってのは言葉遊びでしかない。肝心なのは物質そのものなので。しかしその言葉遊びが、政治的目的のために持ち出され、誰かを苦しめるための文脈を産むなら、それは当然批判されなければならない。

井野:自然だから善、人工だから悪とする考えはまずいですよね。ただある物質について(体への作用であれ何であれ)考えるとき、それが自然のものか、人工のものかというところで躓くということはありうると思います。勿論、素人が迂闊に発言するのはひかえるべきですが。

赤木:誰かの安全安心のために、過剰な規制を人々に強いることは危険であると、盗聴法の問題において声高に叫んでいたのは左派である。しかし左派はその口で今は子供たちの安全安心のために徹底的に食品を監視し、1ベクレルでも発見すれば排除しろと騒ぎ立てている。

井野:私もさっき免疫は毒(異物)を排除と書いたけど、多少の異物はいいじゃんとも思いますね。共存すればいい。ベルクもルミネに共存できない?といってます。これ以上増えるとやばいとか、目安は必要だろうけど、お上(現場にいない人たち)が権力で排除するとなると、際限なくなる。

赤木:ベルクは、ぜひあの場所にあって欲しいと思います。私も月1くらいでギネス飲んでますし。

井野:ありがとうございます!(うれし涙)

赤木:ツイートのこともあったので、新宿きたついでにベルクで一杯
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アイコン02.jpg赤木智弘さん

赤木智弘さんとツイッター上でプチ論争に。私の方からおちょっかいをだした。赤木さんには無数の論敵がいるのだろう。ちょっとでも異論がくれば、バサバサ片っ端から切り捨てる勢いだ。ただ恐らく彼が放射性物質無害論を押し通すのは、有害論からくる東北差別が許せないからだろう。私は無害論に疑問があるが、その頑固な姿勢には敬意すら覚えた。
彼がベルクのお客様であることは知っていたので、一段落したところで私がベルク店長であることを明かした。その日のうちに彼はベルクにギネスをのみに来て下さった。律儀な方だ。お客様一人ゲット。(井野)